クマ捕獲、国の支援対象に

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共同通信
ツキノワグマ(環境省提供)

 2023年度に過去最多の人的被害をもたらしたクマについて、環境省の専門家検討会は8日、捕獲を国の支援対象とする「指定管理鳥獣」に追加する方針案を公表した。被害防止対策を強化しながらも、過度な個体数減少につながらないようにバランスをとった内容となった。人とクマの生活圏を分ける「ゾーニング」を徹底、捕獲は生息状況のモニタリング結果を踏まえて対応することなどを提言した。

 指定管理鳥獣とされれば、都道府県による捕獲などの事業が国の交付金の対象となる。ただ方針案では、現在対象であるニホンジカ・イノシシとは異なる支援メニューが必要と明記。四国のツキノワグマは絶滅の恐れが高いとして指定から除くよう求めている。

 検討会は、クマの個体数は増加傾向と指摘。被害の要因として、林業従事者や狩猟者の減少で人への警戒心が薄れていることや、人口減少・高齢化による耕作放棄地の拡大などで人の生活圏近くまで分布域が拡大していることなどを挙げた。