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共同通信
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香川県が、特産品のオリーブの葉っぱを餌に練り込んで養殖した「オリーブサーモン」を開発し、4月から出荷を始める。身にはコラーゲンが多く含まれるとされ、歯応えの良さも特徴。同様の方法でハマチやマダイが養殖されており、県は「オリーブシリーズ」として独自ブランドの確立を狙う。(共同通信=牧野直翔)
1月10日、香川県さぬき市の漁港にあるいけすに、約3千匹のサーモンが放たれた。いけすは4~12月にハマチの養殖に使ったもので、空いた時期に、飼育期間が短く、低水温を好むサーモンを育てる。
中川水産社長の中川浩行さん(58)は「うまく育つかどうか、ここからが勝負」と語る。
2011年の東日本大震災で東北沿岸部のサーモン養殖業者が被害を受け、稚魚生産者が出荷先を失ったことから、県が稚魚を購入。これがきっかけとなり、4種類のハーブを餌に混ぜて育てた県産の養殖サーモン「讃岐さーもん」が誕生した。
「県の特色を生かしたより魅力的なブランド魚を」といった生産者側の要望に応える形で、県は2020年にサーモンの新品種の開発に着手。オリーブの葉っぱを餌に混ぜることで通常の養殖サーモンより脂が適度に抑えられ、さっぱりとした味わいになっている。
県が昨春、市場調査のため少量を出荷したところ、反応が良かったため、2024年4月の本格出荷に踏み切った。2024年は約80トンを水揚げし、県内の鮮魚店や都心部の百貨店に並ぶ見通し。
県の担当者は「ハマチ、マダイにサーモンを加えたオリーブシリーズを3種盛りにしてもおいしい。一度食べてみて」と話した。