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共同通信
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防衛省は19日、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議の初会合を同省で開いた。座長を務める榊原定征元経団連会長は、2023年度から5年間で防衛費総額を約43兆円に増額する政府方針に関し、物価高や円安などを踏まえ、さらなる増額の可能性に言及した。「43兆円の枠の中で、求められる防衛力装備の強化が本当にできるのか。現実的な視点で見直す必要があるのではないか」と述べた。
岸田文雄首相は6日の衆院予算委員会で、防衛力整備に関し「43兆円の規模と内容を維持したい」と答弁していた。有識者会議の議論が政府方針に影響する可能性もある。
会議で榊原氏は、43兆円の堅持を追求する努力は当然だとしつつ「見直しをタブーとせず、現実を踏まえた実効的な水準や国民負担、具体的な財源を本音ベースで議論すべきだ」と強調した。
木原稔防衛相は「将来の防衛力をつくる上で国民の理解が重要だ」と指摘。28年度以降の防衛費も視野に「ポスト43兆円の話をいかに進めるかも並行して検討していく場にしたい」と語った。