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共同通信
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自動車運転処罰法の危険運転致死傷罪を悪質な事故に適用しやすくするため、要件見直しを議論する法務省の有識者検討会の初会合が21日、開かれた。条文が抽象的なため、過去には法定速度を大幅に超過していたり、信号無視で事故を起こしたりしても適用されないケースがあった。適用基準をどこまで明確化するかを今後の議題とした。
今井猛嘉法政大教授を座長とし、委員9人で構成。裁判官、検察官、弁護士の他、信号無視の事故で娘を失った遺族で「危険運転致死傷罪の条文見直しを求める会」(東京)代表の波多野暁生さん(46)が入った。
現行の危険運転致死傷罪は、高速運転に「進行の制御が困難な高速度」との要件を設けている。法務省によると、検討会はこうした要件を曖昧と指摘。速度超過の幅などに基準を設けるべきだとの考えがある一方、厳格化しすぎると運用しづらくなることも踏まえて議論していくとした。
信号無視への適用は「殊更に無視」したことの立証が必要だが、「殊更」との文言の存廃も検討する。