1日付のメトロ・ニューヨークによると、ニューヨーク市議会のメリッサ・マーク=ビべリト議長は11月30日、受刑者がビデオ電話やチャットを通じて家族らと面会することができる新しいプログラムを来年から、市の図書館と共同で開始すると発表した。
このプログラムは、市が予算60万ドル(約6800万円)をかけ、ライカーズ島刑務所などで始めるもの。受刑者の家族や友人は、5つの行政区にある計22カ所の図書館に赴くことで、“面会”できるようになるという。同刑務所では厳しい保安検査や長い待ち時間があり、面会者にとって1時間の面会のためにほぼ1日を費やす状態が当たり前だという。
新しいプログラムでは、これまでの不便さが解消されるだけでなく、直接刑務所を訪れることを躊躇していた家族らが容易にかつ頻繁に面会することを可能にするほか、ビデオ電話の向こう側の子どもたちと一緒に、図書館に所蔵される本を読むなどの交流も期待されている。
刑事司法に詳しい専門家であるピーター・ワグナー氏は、「実際の面会の完全廃止には反対だが、新しい技術を用いて費用も抑えられる効果もあることから、他都市の手本に成り得る点は評価できる」と述べた。