5日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は同日、州の刑務所での懲罰において人種差別がみられるとする同紙の報道を受け、州監察長官に調査を依頼したことを発表した。
同紙は、独自の調査と受刑者への取材から、州内の刑務所で黒人受刑者が懲罰を受ける確率が白人よりも著しく高く、懲罰として独房監禁を命じられる回数も多く期間も長いと報じた。カナダとの国境に近いクリントン刑務所では、998人の看守のうち黒人は1人だけで、懲罰として独房へ送られる黒人受刑者の数は白人受刑者の約4倍だという。また、監禁期間の平均日数は、黒人が125日間で白人が90日間だった。
知事はまた、黒人が仮釈放申請を却下される確率が白人よりも高いことを受け、州仮釈放委員会に数人のマイノリティーの委員を任命する計画であることも発表している。過去数年間に、最初の仮釈放申請で釈放された黒人およびラテン系の人数は6人に1人以下なのに対し、白人では4人に1人だった。
州の刑務所に収監されている受刑者の4分の3が黒人またはラテン系であるのに対し、同委員会の委員13人にラテン系はいなく、黒人は1人だけだという。