児童福祉局長が辞任 虐待事件の責任取り

 12日付のエーエム・ニューヨークによると、ニューヨーク市長室は同日、児童福祉局(ACS)のグラディス・キャリオン局長が辞任を表明したと発表した。
 局長が同日ビル・デ・ブラシオ市長に宛てた文書には、「決断するまで悩んだが、辞任が最善と考え決心した」と記されていた。市長は声明文で、辞表を受理したことを明らかにし、「キャリオン氏は40年にわたり、ニューヨーク市の子どもや家族に対し、比類なき献身ぶりで尽くしてきた」と称賛した。
 局長の辞任は、世間を騒がせた2つの事件の責任を取る形となった。
 マンハッタン区で9月、6歳の少年が母親とその交際相手から暴行を受け殺害されるという事件が起きたが、ACSは虐待について何度も通報を受けていたにも関わらず、何の措置も取っていなかった。またブルックリン区では先月、3歳の男児が母親の交際相手から暴行を受け、数日後に死亡するという事件が起きた。事件が起きる前の週末にACSは虐待について匿名の通報を受け、職員が調査に向かったが、入手した住所が間違っていたため実態を把握できなかった。
 これらの事件を受け、ACSの改革を求める声が上がっていた。
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