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共同通信
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国内最大規模のニホンアワサンゴの群生地がある山口県周防大島町に1月、ニホンアワサンゴの生態を学ぶことができる施設「地家室(じかむろ)園地」がオープンした。保全活動を進めてきた町は「島の宝を守るため、環境に目を向けるきっかけになってほしい」と願う。(共同通信=丹伊田杏花)
ニホンアワサンゴは東アジアの固有種で温帯域に生息。国内では、千葉―鹿児島県の太平洋側と島根―長崎県の日本海側、瀬戸内海で確認されている。
周防大島沖の海域には国内最大規模の群生地が広がり、景観を保護するため、2013年に瀬戸内海国立公園では初めて「海域公園地区」に指定された。
施設は環境省と町が整備。周防大島の自然環境や歴史も発信する。ニホンアワサンゴは縦50センチ、横1.8メートルの水槽に展示。四季によって色が変化し、一番きれいに見える冬の時期は「海の花束」と呼ばれ、濃い緑色をしている。
環境省委嘱の自然公園指導員で、数十年にわたって保全活動を続けている山口県柳井市の藤本正明さん(70)は「ニホンアワサンゴの生態はあまり分かっていない。海と水槽の生息環境の違いが与える影響などを研究し、解明に少しでもつながれば」と話した。
開館時間は午前9時~午後5時。水曜休館。入館無料。