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共同通信
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ひとり親を孤立させないで―。能登半島地震で被災したひとり親家庭の現状を懸念し、前熊本県ひとり親家庭福祉協議会会長の藤井宥貴子(ふじい・ゆきこ)さん(59)=前熊本県男女共同参画センター館長、熊本県益城町在住=は「さまざまな事情を抱えた被災者がいるはず。必要な情報を確実に届けてほしい」と訴えている。
2016年の熊本地震発生後、被災したひとり親家庭を支援するため、食べ物を配ったり、生活相談に応じたりした。一人で仕事と育児を担う多忙なひとり親は地域に知人が少なく、支援物資の配布日時や場所など生活情報が届きにくい「情報格差」が生じていた。
他にも多様な悩みを抱えていた。「頼る人がいなかった」「男手がなく支援物資や水の重さがこたえた」「子どもを置いて仕事に行き、離れている間にまた地震が起きたらと不安だった」
こうした悩みを少しでも減らそうと、藤井さんは熊本県ひとり親家庭福祉協議会の会長を務めていた2022年秋、熊本地震と2020年7月豪雨災害の経験を基にひとり親家庭向けの防災ハンドブックを発行した。
冊子では、衛生や乳幼児用品を備蓄するといった日常的な備えを紹介。「母子会などでの関係づくりも大切な備えになる」と伝える。
家族や親戚と励まし合いながら過ごす人が多い避難所で、孤立感が深まったという声も聞いた。藤井さんは「お互いを尊重しながら、あいさつをしたり声をかけ合ったりしてほしい。そうすれば次第に関わりが生まれてくる」と話した。