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共同通信
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特定危険指定暴力団工藤会が関わった一般市民襲撃4事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われ、2021年に死刑の一審判決を受けた会トップの総裁野村悟被告(77)の控訴審判決で、福岡高裁(市川太志裁判長)は12日、死刑とした一審福岡地裁判決を部分的に破棄し、無期懲役を言い渡した。殺人について無罪とし、組織的殺人未遂3件を有罪とした。
無期懲役の一審判決を受け、同様に控訴したナンバー2の会長田上不美夫被告(67)は全4事件への関与否定から一転。13年の看護師襲撃と14年の歯科医師襲撃の組織的殺人未遂2事件で自身の指示を認め、野村被告の指示や了解を否定した。
2人の控訴審は昨年9月に始まり、被告人質問のほか、1998年の元漁協組合長射殺事件で服役中の実行犯への証人尋問を実施した。
一審判決は直接証拠がない中、間接証拠の検討を重ね、4事件全てで野村被告が「首謀者として関与した」と認定した。
工藤会は北九州市を拠点とし、12年に全国唯一の特定危険指定暴力団に指定された。