12日付のメトロ・ニューヨークによると、ニューヨーク市のスコット・ストリンガー会計監査官は11日、市内5区の技術、金融、娯楽、医療などの分野における移民の貢献度を分析し、移民がもたらす経済効果や納税に関する報告書を発表した。
市で暮らす住民のうち330万人が外国生まれで、人口の40%を占めるという。市の移民は、合わせて年間1千億ドル(約11兆4千億円)以上の所得を得ているが、これは市民全体の総所得の32%に当たる。また、移民世帯は合計で年間約80億ドル(約9千億円)の個人所得税を市および州に支払い、およそ20億ドル(約2300億円)の固定資産税を収めているという。
市では、ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選出されてから、ヘイトクライムの発生や議論が過熱しており、同氏が選挙戦で主張していた、メキシコと米国との境に壁を建設する、米国へのイスラム教徒の入国を禁止するなどの案が実行されるかどうかについて、注目が集まっている。ストリンガー氏は、「道徳的要請といった価値観に忠実であるためだけに移民排斥方針に反対しているのではなく、経済的必要性も考慮した。移民は、市の経済に大きく貢献している」と述べた。