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共同通信
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静岡県の川勝平太知事が辞意を表明したことで、着工のめどが立っていなかったリニア中央新幹線の静岡工区の建設工事が動き出す可能性が出てきた。関係者は「最大の障壁がなくなる」と語り、計画の前進に向けて期待感を示した。国土交通省の幹部も「朗報だ」と喜んだが、次の知事選を警戒する声もあった。
沿線自治体で早期開業を求めている神奈川県の幹部は「(川勝氏は)次に何か失言したら辞めるとのことだったから、有言実行だ」とした上で「早期開業へのハードルが低くなった」と今後の進展に期待した。
JR東海は2027年のリニア開業に向け、17年11月に静岡工区の工事契約を締結、早期に着手する計画だった。しかし許可の権限を持つ川勝氏は、トンネル掘削工事で大井川の流量が減り、環境に悪影響を与えるとして着工を認めなかった。
JR東海は対策を提示し理解を求めたが、川勝氏は首を縦に振らず、代わりに神奈川県と甲府市を結ぶルートの先行開業を主張するなど予測不能な「川勝節」で関係者を翻弄してきた。