2日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、マンハッタン区の地下鉄内で、ユダヤ人の女性が反ユダヤ主義者とみられる男に罵声を浴びせられた上、暴力を振るわれる事件が起きたことが分かった。
1月30日午後8時半ごろ、C線に乗っていた男が突然「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」と叫ぶと、反ユダヤ主義のパンプレットを声高々に読み出した。さらに、近くにいたユダヤ人の女性(25)を見ると、「醜いユダヤ人」と罵って肩を押し、そのはずみで女性はよろけて座席に倒れ込んだ。その後、男は西23丁目駅で下車し、行方をくらましたという。
目撃者によると、男は白人、ブロンドの短髪で濃い青のジャケットを着用し、ドイツ語なまりがあったという。ニューヨーク市警察(NYPD)は、ユダヤ人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)とみて捜査に乗り出した。
最近、ニューヨーク市内の地下鉄などではヘイトクライムが増加傾向にあり、2日朝にはブルックリン区のジェイ・ストリート駅で、R線の窓にスワスティカ(かぎ十字)が落書きされているのが見つかった。その後もほかの路線の電車内で次々と見つかり、市民が4日、落書きの除去作業を行った。