ソニー・ピクチャーズ、パラマウント買収提案
投資ファンドと組んで260億ドル
ソニーグループ傘下のソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントと組み、パラマウント・ピクチャーズに対し買収に興味のあることを正式に通知した。事情を知る関係者2人が明かしたと、2日、ニューヨーク・タイムズが伝えている。
パラマウントはスカイダンスと排他的買収交渉を進めているが、その期限は3日に切れる。SPEとアポロがパラマウントに送付した書簡の中で提示した買収金額は約260億ドル。全額現金で支払い、SPEが過半数の株式を取得する。ただし金額は交渉に応じるとしている。双方ともデューデリジェンス(精査)作業を行っておらず、金額はその結果によって変わる可能性がある。
さらに、パラマウントが所有するCBSがネックなる懸念がある。連邦通信委員会(FCC)が外国資本によるネットワーク買収を厳しく規制しているからだ。アポロはすでにケーブルテレビ局を持つコックス・メディア・グループを傘下に収めている。そこで、CBSの放映権をアポロに移管する案も浮上している。
パラマウントはコメントの求めに応じていない。パラマウントの支配株主シャリー・レッドストーン氏はスカイダンスによる買収に傾いており、SPEの提案を受け入れるかは不明。パラマウントを巡る買収劇が終盤に差し掛かり、白熱してきたのは確かだ。