食品添加物「酸化チタン」は安全?
EUは禁止、消費者の自衛策は?
食品添加物としてピザやキャンディーに使われている「酸化チタン」の健康への悪影響を懸念する声が上がっている。10日、ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
酸化チタンは紫外線遮断剤としてサンスクリーンに使われているチタンの酸化物。皮膚に浸透するという証拠はなく、肌につけても安全だとされている。これを食品に加えると、色が輝いて見える。特に白色を際立たせるため、キャンディー、コヒークリーマー、ベーキングパウダー類によく使われている。
経口摂取した場合の健康への影響を心配するのは、ナノ粒子が胃腸壁から体細胞に入り込み蓄積する可能性があるからだ。動物実験では免疫障害、腸内炎症、DNA損傷などを引き起こし、がん発生につながると指摘されている。ただし、人体への被害のメカニズムは明らかになっておらず、専門家の間でも意見は分かれる。
EUはすでに2022年に食品への使用を禁止。カリフォルニア州議会では今年初め、公立校で提供する食品への使用を禁止する法案が提案された。米食品医薬品局(FDA)には食品への使用禁止を求める陳情書が提出されている。一方、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは最近、安全だと判断しており、政府による対応もまちまちだ。
たまに口にするのは大丈夫との意見もあるが、自衛したい消費者は食品パッケージの原材料表示に注目すること。ただ、メーカーは明示しなくてもよいことになっており、単に「合成着色料」となっている場合もある。その場合は、メーカーに問い合わせる。「合成着色料」を使用している食品を全て食べないという方法もある。
自主的に使用を中止したメーカーの商品を選ぶこともできる。ホールフーズは最近「365」ブランドの「マカロニ・アンド・チーズ」から酸化チタンを排除。ビヨンド・ミートも植物由来の「チキンナゲット」に酸化チタンの使用をやめている。