タイ、5人毒殺し自殺か

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共同通信
遺体が見つかったバンコクのホテル=16日(AP=共同)

 【バンコク共同】タイの首都バンコク中心部の高級ホテルで16日夕、宿泊客のベトナム人男女ら6人が遺体で見つかった事件があり、タイ警察当局は殺人事件とみて捜査。検視結果などから17日、6人のうち1人が猛毒のシアン化物で5人を殺害した疑いが強いと発表した。犯人は服毒自殺したとみられる。

 遺体が見つかったスイートルームには、お茶やコーヒーを飲んだ跡があり、カップなどからも毒物が検出された。

 警察によると、死亡したのはベトナム人4人とベトナム系米国人2人。うち2人が日本での病院建設計画への投資金として、他の2人から約1千万バーツ(約4350万円)を受け取ったまま計画が途絶。資金回収を巡るトラブルとなっていた。

 警察は当初、一行に同行していた7人目の人物の行方を追ったが、捜査の結果、殺人と無関係と判明した。

 事件はタイ国内外で強い関心を集め、政府は主力産業の観光に悪影響を与えることを懸念。セター首相は16日夜に現場を訪れて真相究明を指示し、警察も連日の記者会見で情報を開示するなど社会不安の抑制に努めた。