17日付のWNYCニュースによると、ブルックリン区の公立第230校がイスラム教徒の子どもが主人公の劇を計画したところ、米国憲法の国教条項に違反するとの非難があり上演が中止されたことが、このほど分かった。
計画していたのは、長年同校で課外活動の一環として演劇を教える劇団、ブルックリン・チルドレンズ・シアター。同劇団の責任者によると、児童らが台本作りから参画した劇を含む4作が上演される予定だった。今回問題となったのは、中国系イスラム教徒の民話で、主人公の少女が感謝の気持ちや信仰を助けになぞなぞを解いていく物語。その台本を見た保護者らから「公立校で特定の宗教を助長するのは憲法違反」だとして宗教と教育の分立を促進する市民団体FFRFに連絡がいき、FFRFらから正式な苦情が同校へ届けられた。その後、学校は「技術的問題」を理由に上演を中止したという。
台本を検証した法律の専門家は、「今回の苦情は法律の誤った解釈に基づいている」と指摘し、「劇は憲法修正第一条の国教条項違反に当たらない。劇の鑑賞後に祈りや儀式への参加を強要すれば違反になるが、宗教を教えること自体は第一条で保障されている」との見解を示した。