24日付のエーエム・ニューヨークによると、ニューヨーク市が提案するマンハッタン区のガーメントディストリクト(ファッション地区)移転計画を巡って、ファッション業界から反対の声が上がっているという。
ミッドタウンの西35~40丁目周辺は昔から生地やボタンなどファッション関連の小売問屋が集まることからファッション地区と呼ばれており、市はこれをブルックリン区に移転する考えだ。この地域には地区保護条約が1987年に発令され、その条約の下ではアパレル裁縫工場と同じ面積分のオフィススペースしか建てられないことになっているが、市はこの条約を撤廃してホテルやマンション建設を可能にしようとしている。これを受け、業界関係者の一部は地域の文化がなくなることや移転後の経営に保障がないことに不安を抱いているようだ。
1950年代には35万人だったこの業界で働く人は、2015年には5千人ほどにまで減少しているが、業界団体のサマンサ・コルテス代表は、「歴史あるこの地区をここからなくすことはできない」と話す。また、アパレル店を営業している男性も、「ミッドタウンという多くの人で賑わう立地はとても重要」と述べた。