輪島の被災ピアノ復活に尽力

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共同通信
能登半島地震で被災した石川県輪島市の住宅のピアノと調律師遠藤洋さん=17日、福島県いわき市

 2011年の東日本大震災で津波にのまれ、再生は困難と言われながら音色を取り戻した福島県いわき市のピアノは「奇跡のピアノ」と呼ばれている。その修復に携わった同市の調律師遠藤洋さん(65)が、能登半島地震で被災した石川県輪島市の住宅のピアノを復活させようとしている。「心の痛みに直面している被災地の人々の役に立ちたい」と、傷ついたピアノに向き合う。

 今回修復するのは、渓口裕子さん(77)が50年以上前から大切にしてきたアップライトピアノ。元日の地震で渓口さん方は中規模半壊となり、ピアノは割れた窓から吹き込む雪や雨で傷んだ。

 遠藤さんが被災自治体を通じて修理を要するピアノを募り、渓口さんの娘でNPO職員の倉本沙織さん(52)=同県穴水町=が依頼した。

 7月中旬、遠藤さんはピアニスト西村由紀江さんが奇跡のピアノを奏でるコンサートを能登半島で開催。それに合わせて渓口さんのピアノを点検し「鍵盤が重たく、音のバランスが崩れているが、直ります」と診断した。なるべく元の部品を生かして修復する考えだ。