犯罪者への対策不充分 公共住宅の住民危険にさらす

 29日付のNY1によると、ニューヨーク市捜査局(DOI)はこのほど、市当局は公共住宅から凶悪な犯罪者を排除する努力に欠けているという調査結果を発表した。
 市住宅局(NYCHA)および市警察(NYPD)は、2015年にも犯罪に関わった賃借人への対策を怠っていると警告している。最近発表された調査報告によると、NYPDは対策の一環として公共住宅の敷地内で逮捕された賃借人が出た場合、その情報をNYCHAに報告しているという。しかし、NYCHAはその情報を活用して、犯罪者を立ち退かせるなどの強制措置をとっていないと指摘。「住民全体の話をしているのではない。一握りの犯罪者が、公共住宅に住む何千、何万という法を遵守している賃借人を危険にさらしている」と調査結果をまとめたDOIのマーク・ピータース局長は語っている。
 これに対し、NYCHAのシニアアドバイザー、ダン・ハフェズ氏は「この問題は非常に複雑だ」と反論。犯罪者を立ち退かせるとして、その家族はどうなるかという問題の議論が生じるため、同氏は「犯罪とは無関係の、罪のない家族を立ち退かせるのは大きな間違い。慎重に対処しなければならない」との見解を示した。

マンハッタン区内の公共住宅(photo: Jim.henderson)

マンハッタン区内の公共住宅(photo: Jim.henderson)