NYを支える樹木の「功と罪」 猛暑から守る一方、オゾン発生要因にも 

 

NYを支える樹木の「功と罪」

猛暑から守る一方、オゾン発生要因にも

sq lim / Unsplash(写真はイメージ)

ニューヨークの街を支える数多くの樹木は、歩道に日陰をつくり、地球温暖化につながる排気ガスを吸収、猛暑から市民を守っている。一方で、無害の化学物資イソプレンを大気に放出しており、工場や車のエンジンなどから排出される窒素酸化物と化学反応を起こすと、呼吸器系に有害な汚染物質であるオゾンが発生する。研究者の間では、意見が交錯している。ニューヨークタイムズ20日、伝えた。

ある研究によれば、マンハッタンの樹木がオークだけになると、オゾンは30%以上増える恐れがあるという。毎年400人以上がオゾンが原因とみられる症状で死亡していると推定。温室効果ガス排出の最大要因は建物の冷暖房で使われる化石燃料であり、電気自動車への切り替えや、化石燃料を削減し窒素酸化物を減らせば、オゾンは大幅に減少するとみられる。

別の研究では、窒素酸化物とイソプレンが激しく化学反応を起こすのは猛暑の日だと指摘。樹木は暑くなればなるほどイソプレンを排出。同じくディーゼルなどを燃料とする冷暖房もフル稼働するため、窒素酸化物が排出される。専門家からは「窒素酸化物が高いニューヨークでは、イソプレンを排出しないような樹木を植えるべき」とする一方、「オークのような大きな木陰がもたらす利点を考慮していない」との声も漏れる。

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