ひとり親、困窮者支える「地域の冷蔵庫」

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共同通信
「コミュニティフリッジ恵庭」に設置された業務用冷凍冷蔵庫を案内する平井梓事務局長。中には無償で持ち帰れる食品が並ぶ=7月、北海道恵庭市

 北海道恵庭市を拠点に活動するNPO法人「まちづくりスポット恵み野」が、ひとり親世帯や困窮者を対象に、食品や日用品を無償で受け取ることができる施設「コミュニティフリッジ恵庭」を6月に開いた。「地域の公共冷蔵庫」をコンセプトに、企業や団体、個人から寄付を募って運営する。平井梓(あずさ)事務局長は「セーフティーネットとして、少しでも生活に余裕が生まれたら」と話す。(共同通信=田代展嵩)

 JR恵み野駅(恵庭市)にほど近い商業施設の一角にある。寄付された冷凍食品や大根、ジャガイモなどの野菜が貯蔵された業務用冷凍冷蔵庫が置かれ、棚にはレトルト食品や洗剤が並ぶ。中央のスペースには利用者からの「支えてくれる人がいて心強い」といったメッセージも。

 就学援助や児童扶養手当を受給している世帯のほか、市内に住む外国人技能実習生らが対象。7月末までに約250人が利用登録した。

 現在は午前9時半~午後5時半、利用者が来るたびに職員が鍵を開けているが、今後は電子キーアプリを導入していつでも入室できるようにし、人目を気にせず支援を受けられる態勢を整える計画だ。

 利用者が増加すれば物資の供給が追い付かなくなる可能性があるため、市の広報誌などを通じて活動の周知や寄付の呼びかけにも力を入れる。

 まちづくりスポット恵み野はこれまで、新型コロナウイルス禍で苦しむ大学生への食品配布や、子育て世帯に衣服を提供する「お下がり交換会」などを通じ、困っている人を取り残さないまちづくりと地域活性化に取り組んできた。

 従来の活動では開催日時や場所を事前に決める必要があったが、岡山市で先にオープンしたコミュニティフリッジの取り組みも踏まえ「いつでも受け取れる仕組みがあれば」と開設を決めた。

 平井さんは「各地の支援団体とのつながりを広げ、態勢を強化していきたい」と意気込んだ。

「コミュニティフリッジ恵庭」の業務用冷凍冷蔵庫に並べられた野菜などの生鮮食品=7月、北海道恵庭市
「コミュニティフリッジ恵庭」の棚に並べられた日用品や飲料水=7月、北海道恵庭市