フジモリ氏埋葬、涙の別れ

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共同通信
14日、ペルー・リマ郊外の墓地で、フジモリ元大統領のひつぎに花を手向ける次男ケンジ氏(中央左)と長女ケイコ氏(同右)(共同)

 【リマ共同】11日に死去したペルーのフジモリ元大統領のひつぎが14日、一連の追悼行事を終え首都リマ郊外の墓地に埋葬された。家族は涙に暮れ、最後の別れを告げようと集まった多くの支持者が「フジモリは心の中に居続ける」「チノ(フジモリ氏の愛称)」と声を上げ、別れを惜しんだ。

 この日は追悼行事が続いていた国立博物館でミサが営まれた後、大統領府で式典があり、ひつぎは墓地に運ばれた。

 埋葬を前に次男ケンジ氏が演説し、死去の数日前にフジモリ氏と会話した時の内容を披露した。ケンジ氏が「重大な決断は何だったか」と尋ねると、フジモリ氏は1996年にリマで起きた日本大使公邸人質事件を挙げたという。

 ケンジ氏によると、フジモリ氏は平和的解決の道を探りながらも軍事作戦を選択肢に入れ、当時の橋本龍太郎首相に人質が危険にさらされれば軍事力を行使できると伝えた。97年に武力突入によって事件は終結。ケンジ氏は「時差があるため、父は橋本氏に作戦のことを知らせなかった」とも明らかにした。