【24日付ブルームバーグ】 全米経済研究所が最新データから算出した研究によれば、米国人男性の平均余命は経済状況により大きな格差があり、年々その差が開いていることが明らかになった。特に非ヒスパニック系の白人中年男性の健康悪化が顕著となっている。
同研究は経済学者や健康政策の専門家13人のグループが、41歳から51歳までの男性の平均余命を経済レベル別に算出し比較した。それによると、1980年には経済レベルが上位20%にある50歳の男性の平均余命は、下位20%の男性より5年長かったが、同様の比較で2010年には、その差が12.7歳まで開いた。
下位20%の経済レベルの50歳男性に予測される寿命は76歳で、これは一世代前より6カ月短くなっている。一方で、上位20%の男性に予測される寿命は89歳で、一世代前より7歳も長生きになっている。
研究者らが指摘するのはこれが単なる寿命の差ではなく、経済レベルによって年金やメディケアなどの社会保障の受給額に生涯で大きな差が出るということだ。新政権は社会保障プログラムの見直しを検討しており、退職年齢など一部の変更であっても、その影響には大きな差が出てくることが予想される。