【25日付NY1】ニューヨーク市長室がこのほど発表した最新の調査報告によれば、市内の音楽業界は年間210億ドル(約2兆3000億円)の売り上げを記録し、6万人の雇用と47億ドルの賃金を創出していることが明らかになった。
市にはジャズのハーレム、パンクロックのイーストビレッジ、また、クラシック音楽の殿堂カーネギーホールやリンカーンセンター、ポップスのラジオシティ・ミュージック・ホールがあり、世界中からミュージシャンが集まる。市メディアエンターテインメント局のジュリー・メニン局長は、「市は世界の音楽の中心だということが明白になった」と話す。音楽関連のベンチャー企業も70以上あり、カリフォルニア州のロサンゼルス市とサンフランシスコ市のベンチャーを合わせた数よりも多い。2016年だけでも音楽イベントのチケットが540万枚売られたとされ、その数は年々増加している。
一方で、競争の激しい業界であることも事実だ。イーストビレッジでは小規模のスタジオやコンサート会場が廃業に追い込まれている。これを受け、地元からは音楽産業にもっと光を当て、育成に力を入れるべきだとの声も上がっている。ブルックリン区商工会議所は、ニューヨーク州に対して音楽業界に税の優遇処置を与えるよう要請している。