【4月27日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市の レティシア・ジェームス市政監督官は4月27日、市が所有する公共住宅を協同組合住宅(コープ)に転換し賃借人に安価で売却するTIL計画において、いまだに約900戸が空室であるとの報告を発表した。
1978年に開始した同計画では、老朽化した公共住宅を改修し、賃借人らが共同で住宅の管理を行うコープとする代わりに賃借人に各部屋を最低250ドル(約2万8000円)で売却するが、登録されたアパート2322戸の38%に当たる884戸が空室のままだ。登録されたアパートに住んでいた数百人の賃借人が改修工事のため2、3年の予定で仮住まいに引っ越したが、改修工事が進まず、130世帯以上が現在も自宅に戻れない状態にある。中には12年の間、完成を待っている人もいる。
市は、2008年に起きた住宅危機と、その結果生じた予算削減を工事遅延の原因としているが、工事を迅速に進め住人が自宅に戻れるようにするため、工事がこれからのビルを同計画から外し、外部の開発業者などに改修を委託する計画。
同市政監督官は、「市で低価格住宅が不足する中、市運営の計画においてこれほど多くの空室があるとは信じがたい」と述べた。