「進撃の巨人」がNYで大ウケ
歓声は絶えず「オーマイガー」と雄叫びも
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世界で熱狂的な人気を誇る漫画漫画『進撃の巨人』(原作:諫山創)のミュージカルが10月11〜13日、ニューヨーク・マンハッタンで上演され、割れんばかりの拍手の下、初の海外公演が幕を閉じた。
◆「2.5次元を表現することに長けた俳優」
2023年1月に日本初演を迎え、今回が2度目の上演となる本作。各キャラクターの高い再現度に加え、プロジェクションマッピングや大掛かりな舞台装置は「レベルが高すぎる」と反響を呼び、見事に漫画の世界をリアルに表現。この冬には再び日本での凱旋公演も控える。
今回のニューヨーク公演は作品、そしてキャスト全員が初の海外挑戦。プレビューでは現地の記者からの質問に少し緊張した様子を見せていたキャストだったが、いざ初日の幕が上がると圧巻のパフォーマンスで観客を魅了した。
演出家の植木豪はキャストの顔ぶれを「2.5次元の世界を表現することに長けた俳優たち」と太鼓判を押しており、さまざまな2.5次元作品で活躍してきた岡宮来夢や高月彩良、小西詠斗らによる「忠実な世界観」が110分間、ノンストップで繰り広げられた。
◆ 雄叫びを上げるニューヨーカー「信じられない」
各キャラクターが登場する度に「雄叫び」に近いほどの歓声が上がり、客席では観客が興奮気味に「彼らが目の前にいるなんて信じられない」「オーマイガー」と囁く。ストーリーはダークに展開していく本作だが、ニューヨーカーは好みのキャラクターが登場すると惜しみなくエールを送る。上演中は劇場がテーマパーク様変わりしたかのような高揚感に包まれ、童心に戻ったかのような笑顔を浮かべる観客の姿も印象的だった。
ちなみに、本作は全て日本語で上演。舞台の両端に字幕は出ていたものの、みなストーリーを理解しているせいか字幕にかぶりついている様子はなく、作品のところどころに挟まれた「小ネタ」(サシャの天真爛漫っぷりが大放出)も日本語とのリアルタイムで笑いが起きるなど、観客の本作に対する熱もかなり高かった。
カーテンコールでメインキャストの岡宮来夢(エレン役)が「Looking forward to seeing you again!」と言った際は観客もうれしそうに反応。同作が再びニューヨークに戻ってくること、漫画やアニメが盛り上がり続けるニューヨークで、より多くの2.5次元作品の上演が待ち望まれていることを肌で感じる夜となった。
取材・文/ナガタミユ
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