10月19日【気になったニュース】
やはり“横綱”ハーバード大学は、
日々に惑わされず、“伝統”で勝負。
皆さん、一週間おつかれさまでした。今週は、秋らしい日々が続き、気持ちよかったですね。大リーグのプレイ・オフも盛り上がってますねえ。今週は、大谷翔平選手や山本由伸投手のDodgersがNew Yorkに来ていたので、実際に球場で観られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新学年度から少し落ち着いたからか、最近は教育関連のニュースも増えているように思います。金曜は、「アイビーリーグ合格請負人に注目」という記事がありましたが、Ivy League合格請負人がしているCrimson Educationは、4-6年のプログラムで、“授業料”は$30K-$200Kということで、アメリカの大学のように、こちらも日本とは桁が違いますね。ちなみに、この会社は、NJ出身で現在29歳のJamie Beaton氏が、17歳の時に創った会社ですが、彼はその後Harvardで学位をとってから、スタンフォード(修士; 経営と教育テクノロジー)、オックスフォード(博士; 公共政策)、ペンシルバニア(修士; 教育アントレプレナー)、プリンストン(修士; ファイナンス)、イェール(JD; 法律)、さらには中国の清華大学(国際政策)でも修士と意味の分からない学歴を持っています。ちなみに、初期投資家には、有名な投資家であるJulian Robertsonだけでなく、ベネッセの福武總一郎氏も入っているあたりは、さすがベネッセということでしょうか。
教育がらみで、もう一つ気になったのは、ハーバード大学の昨年度(大学の年度は、6月終り)の寄付金が15%下がり、その中で大学基金への寄付に関しては34%も減ったということでしょうか。先週には、コロンビア大学への寄付が30%近く減ったという記事を載せましたが、今回のハーバードでも同様の結果となっています。反ユダヤ主義(Antisemitism)抗議活動への学校側の対応の“まずさ”が、寄付集めに影響を与えたということで、アカデミアにおけるイスラエル-ガザ紛争の影響の大きさを感じされられます(ウクライナ戦争との影響の違いも)。
一方で、さすがハーバード大学と思ったのは、このような寄付金の減少にも関わらず、運営規模を拡大(経費:+9%かつ営業黒字)し、純資産も増やせている(+5%)ということではないでしょうか。日経の朝田さんも詳しく述べておられますが、やはりこれを可能にしているのが、大学基金($53B=約8兆円)だと思いますし、大学基金に十分なリターンを提供している資本主義市場なのだと思います。経費でみてもハーバードの運営規模は、東大の4倍近く($6.4B=約1兆円 vs. 2700億円)で、運営規模伸び率もハーバードの方が高いので、テック業界ではないですが、ほっとくとますますこの差は開いてしまいますね。。。営業収支という単年の影響ではなく、Balance Sheetという“伝統校”の強みを活かして、うまく横綱相撲をしていると思います。
アメリカでの教育費、特に大学授業料の高騰は、大きな社会問題にもなっていますが、いい将来を送ってほしいと思う親の気持ちは万国共通(こちらでの住む場所選びも。ちなみに、NJの公立高校トップは、我らがBCAでした)ですし、Ivy Leagueなどは世界選抜ですからねえ。そんななか、日本の大学には、日本独自の良さがあると思うので、ぜひとももう少しがんばってもらって(学士は日本、修士以降はアメリカという“比較優位貿易”?)、親の負担にも貢献してくれるとありがたいですね。(日本で、大学学費値上げが話題になっているものの、まだまだこちらとの比較にはならないですしね。。。)
今週末も、秋晴れで非常に気持ちのいい週末になりそうです。紅葉も今がピークのようなので、セントラルパークに、郊外に足を延ばして、リフレッシュされるのはいかがでしょうか?独身の方々は、Richard GereかWinona Ryderになった気分で?ではよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚
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