【6日付ABCニューヨーク】ダニの活動が活発になるシーズンが到来したが、今年は死に至る病を引き起こす病原菌を保有したダニが確認されている。
「ポワッサン」と呼ばれる珍しい病原菌は、ライム病を引き起こす菌を媒介する種類と同じダニが媒介する。ポワッサンウイルスは神経系を攻撃し、記憶や思考、バランス感覚に影響を及ぼし、最悪の場合は死に至ることもある。同ウイルスはシカに寄生するダニが媒介し、治療法はない。近年、疾病予防管理センター(CDC)が把握している感染例が最も多かったのはニューヨーク、ニュージャージー、ウィスコンシン、ミネソタ、ペンシルベニア州だった。
看護師のクリスティ・クロムホルツさんは、「治療法がないことがライムとポワッサンとの違い。対症療法で効果が出る患者もいるが、およそ10~15%の患者は感染後、生涯にわたる神経障害を患う可能性がある」と話す。
専門家や医師によると、今年は例年より早くからダニの被害がみられるとして、森林や草が生えた場所に行く場合はジエチルトルアミド入りの虫よけを使用する、帰宅時は全身を点検する、ペットの保護と検査をするなど徹底して感染予防に努めるよう呼び掛けている。