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共同通信
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約800年前に開湯し、北海道内最古といわれる知内町の知内温泉に、豊かな自然を満喫できるサウナが6月にオープンした。知内温泉旅館の5代目当主佐藤昌人さん(42)は、自らが「ととのう」心地よさに目覚めた縁で旅館の敷地に専用施設を新設。「サウナを入り口に、多くの人に知内温泉の魅力を知ってもらいたい」と語る。(共同通信=金子茉莉佳)
知内温泉は1247年に薬師堂が建立されたのが始まりとされ、佐藤さんは18代目湯守を務める。友人に誘われてサウナにはまり、2020年にテントサウナを購入して試験的に導入すると、小川の清流を水風呂代わりに、緑に囲まれながらリフレッシュできると評判になった。
「若い人にもっと足を運んでもらいたい」と、2021年秋に本格的な施設建設を計画。「太古の自然」をコンセプトに、地元の道南スギをふんだんに使った三角屋根の下、大きなガラス壁面を通して、人の手が加えられていない知内の自然を眺めながらリラックスできる施設を目指した。
小川の水を使った水風呂や、美肌効果があるとされるミョウバン泉の湯を配置。サウナ室は温泉を流して湿度を高めるほか、エストニアから最新機能を備えたストーブを輸入し「外から自然の新鮮な空気を取り入れられるようにした」。息苦しくない空間にこだわり「呼吸の間」と名付けた。
資材高騰や降雪による工期延長などで、費用が予算を大きく超える困難もあったが、クラウドファンディングで資金を調達するなどして開設を実現した。
オープンから3カ月。口コミや交流サイト(SNS)を見た20~30代の客が徐々に増え、手応えを感じている佐藤さん。「サウナと温泉をセットで体験して、日々の疲れを癒やしてほしい」と笑顔で話した。