絵本作家せなけいこさん死去

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共同通信
せなけいこさんの代表作の絵本「ねないこ だれだ」

 ロングセラー絵本「ねないこ だれだ」などで知られる絵本作家、せなけいこ(本名黒田恵子=くろだ・けいこ)さんが23日午後10時52分、老衰のため神奈川県の自宅で死去したことが28日分かった。92歳。東京都出身。

 日本銀行勤務を経て童画家の武井武雄に師事し、1969年「いやだいやだの絵本」シリーズ(4冊セット)でデビューした。貼り絵を使ったユーモアと温かみのある作風が特徴で、同シリーズの「ねないこ だれだ」は世代を超えて読み継がれる代表作。表紙を飾る白い「おばけ」の絵は、せな作品のトレードマークになった。

 「あーんあんの絵本」シリーズの「ルルちゃんのくつした」などに登場する女の子は娘がモデルとされ、自身の育児経験を基に、子どもの姿を生き生きと描いた。主な作品に「めがねうさぎ」シリーズ、「おばけのてんぷら」など。

 2009年には童謡の歌詞に絵を付けた「おばけなんてないさ」、16年には半生を振り返った自伝的作品「ねないこはわたし」を出版した。