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共同通信
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鹿児島県日置市で2018年、親族ら5人を殺害したとして殺人と死体遺棄の罪に問われ、20年12月に一審鹿児島地裁で死刑判決を受けた無職岩倉知広被告(45)の控訴審初公判が30日、福岡高裁宮崎支部(平島正道裁判長)であり、被告の精神鑑定を実施した医師が出廷し、統合失調症とみられる症状があると証言した。
鑑定医は、行動の基盤に妄想があるとした上で「思考のほとんどに妄想が混在しているので、切り分けて考えるのは困難」と述べた。
裁判関係者によると、弁護側の控訴後、精神鑑定などに時間を要し、一審に続き刑事責任能力の有無が争点になる見通し。
一審で弁護側は、妄想性障害による心神耗弱状態で責任能力が低下していたと主張したが、判決は「被告の攻撃的で他罰的な性格が大きく影響した」と完全責任能力を認めた。
一審判決によると、18年3月31日夜~4月1日朝、祖母=当時(89)=方で小言を言われ、祖母と父=同(68)=の首を絞めて殺害し、遺体を山林に遺棄。6日午後には、伯父の妻=同(69)=らを殺害した。