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共同通信
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奈良小1女児誘拐殺人事件を起こした小林薫元死刑囚=執行当時(44)=は最後まで遺族に対する明確な謝罪の言葉を口にしなかった。刑は2013年に執行されたが、亡くなった有山楓さん=当時(7)=の父親茂樹さん(50)はこう語った。「楓が戻ってくるわけではない」
「茶番を終わらせてほしい」。06年、裁判でこう述べた元死刑囚。あくびをし、判決を聞いて笑みを浮かべた。取り調べで「早く死刑判決を」と供述していたことが明らかにされ、茂樹さんは意見陳述で「反省しているなら、軽々しく死刑になりたいなんて言うはずがない」と厳しく非難した。
元死刑囚と交流のあった月刊誌「創」の篠田博之編集長は判決前後に手紙などで「法廷で両親に謝罪すべきだ」と強く勧めた。しかしその機会は訪れなかった。
事件から20年を前にした16日、楓さんが見つかった奈良県平群町の現場には菓子と花束が供えられ、ひっそりとしていた。全国に衝撃を与えた事件。茂樹さんは毎年11月、手記を発表し、楓さんとの思い出や子どもの犯罪被害防止、命の大切さを訴えてきた。