【5月31日付CBSニューヨーク】クイーンズ区フラッシングで5月27日、82歳の男性が警官を装った男に7000ドル(約78万円)をだまし取られる事件が起きた。男性はこれ以上被害が拡大しないよう自身の経験を周りに広め、再発防止に向けて取り組んでいる。
被害者の男性は同日午後、フラッシングで買い物を終えて車で帰宅しようとしたところ、交差点進入時の一時停止時間が短すぎたとの理由で警官を名乗る男に車を停車するよう命じられ、罰金を支払うよう言い渡された。男性は「確実に一時停止した」と訴えたが、男に「指示に従わず反論するのであれば車を取り上げる」と脅されたため、男の運転で近くにある銀行まで向かい、その場で現金7000ドルを引き出し手渡した。男性は「今思えば偽の警官であることは明らかだったのに、事件当時は気が動転していてそこまで気付かなかった」と話している。
男性によると、警官に扮した男は警察バッジを一度も見せなかった。男の右足のかかとには入れ墨が入っていたという。
NYPDは、男が過去にも同様の事件を起こしているものとみて捜査を進めているが、被害者側がだまされたことを恥じて通報してこない場合もあるため、現在のところ手掛かりは少ない。
男性は「自分と同じ経験をする人が少しでも減ってくれれば」と、同様の手口による被害者に声を上げるよう自らの体験を語り、またNYPDも容疑者特定に向け市民に情報提供を呼び掛けている。