レバノンに祝砲、避難民は自宅へ

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共同通信
27日、レバノン首都ベイルート南部でヒズボラの旗を掲げる住民ら(AP=共同)

 【カイロ共同】レバノンの街に祝砲が鳴り響き、避難民は自宅へと車を走らせた。イスラエルと民兵組織ヒズボラの停戦が発効した27日。1年以上続いた交戦でレバノンでは3800人以上が死亡、イスラエル軍の空爆は停戦直前まで続いた。「悪夢が終わった」「戦争はこりごりだ」。住民は歓喜の声を上げ、停戦維持を願った。

 現地からの映像などによると、イスラエル軍の空爆と地上侵攻により多くの住民が避難していたレバノン南部へ向かう幹線道路は27日早朝から混雑した。ヒズボラの影響力が強い首都ベイルート南部では、ヒズボラの旗を掲げ、9月下旬の空爆で殺害された前指導者ナスララ師をたたえる支持者の姿もあった。

 ヒズボラ支持の女性バトゥール・バドルさん(39)は約1カ月前、レバノン南部ナバティエから北部トリポリに逃れ、子どもらと避難生活を続けてきた。電話取材に「抵抗を示して戦争に勝利し、とても興奮している。地元に戻るのが待ち切れない」と語った。

 レバノンでは多種多様な宗教宗派が混在。交戦開始以降、社会の亀裂は深まった。