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共同通信
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【ロンドン共同】第2次大戦中、ナチス・ドイツとの戦いで徹底抗戦を訴え、英国を勝利に導いた名宰相の故チャーチル元首相が、30日で生誕から150年を迎えた。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、抗戦の訴えが再び脚光を浴びている。英著名歴史家のアンドリュー・ロバーツ氏(61)は「ウクライナ国民に勇気を与えている」と話す。
「われわれは降伏せず、負けない。海や空などいかなる場所でも最後まで戦う」
ロシアの侵攻開始から間もない2022年3月8日。ウクライナのゼレンスキー大統領は英下院のオンライン演説で、打倒ヒトラーを誓ったチャーチルの演説を引用しながら決意を表明した。「彼は国民の気持ちを代弁した。降伏したり逃げたりすることもできたが、チャーチルのように首都に残って戦った」とロバーツ氏は評する。
チャーチルは1940年にフランスを破ったナチスが英国に迫った際も宥和政策に傾かず、国民に抗戦を呼びかけた。英空軍は「バトル・オブ・ブリテン」として知られるロンドン上空などの戦いでドイツ空軍を迎え撃ち、退けた。