最大の教育協議会が機能不全 反トランスジェンダー、全米各地で動き

 

最大の教育協議会が機能不全

反トランスジェンダー、全米各地で動き

Alexander Grey / Unsplash

 

ニューヨークでは、トランスジェンダーの少女に女子スポーツをさせるべきか否かという問題とトランスジェンダーの権利を巡る議論が郡の委員会をはじめ、大学キャンパスなどで政治的小競り合いにつながってきた。この問題で、ローワーマンハッタンやミッドタウン、アッパー・イースト・サイドを管轄する市内最大かつ最も裕福な学区である第2地区地域教育協議会は現在、ほとんど機能不全に陥っている。ニューヨーク・タイムズが2日、伝えた。

活動の中心人物はモード・マロンさん。今年3月、「トランスジェンダーの生徒が性自認に合ったチームでプレーすることを認める」とした方針を再考するよう市教育局(DOE)に求める決議案の可決に向けた動きを主導したのも彼女だ。DOEは決議を即座に否決したものの、ジェンダーに関する議論や決議案の撤回を求める抗議デモが起きた。機能していない地域教育協議会は、ほとんどがボランティアとして活動する保護者で構成されている。11月に開催された会合は紛糾し、4時間近くに及んだ。

パンデミックによる学校閉鎖が続いた後、アメリカ各地ではトランスジェンダーの生徒政策、人種に関する教育を巡る懸念に乗じて、共和党が戦略的に教育委員会を「乗っ取る」動きが出始めている。マロンさんは2022年、州下院議員選の民主党予備選に出馬し落選した後、共和党に鞍替えした経緯がある。

 

編集部のつぶやき「共和VS民主」
各地での動きは政治的なもの。トランスジェンダーへの恐怖心を煽るトランプ共和党が、教育の場でのトランス生徒の権利を制限しようとしている。一方で、ニューヨーク州・市(民主党)は、教育現場でLGBTQ生徒の権利を守る政策をとってきたため、共和党と民主党のせめぎ合いが混乱を呼んでいる。(K.T.)

 

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