転職希望者10年ぶりの高水準に
雇用市場低迷で不満抱え足踏み状態
転職を希望するアメリカ人の数が10年ぶりの高水準に達していることが、世論調査会社ギャラップが四半期ごとに実施する職場環境を巡る意識調査の最新データで明らかになった。ただ、ホワイトカラー職の雇用市場が冷え込んでおり、転職は容易でなく、より多くの労働者が行き詰まりを感じ、疎外感を抱きながら働いている。ウォール・ストリート・ジャーナルが3日、伝えた。
ギャラップの11月の調査に回答した2万人のうち、半数以上が「新たな職を探している」か「積極的に転職活動を進めている」と答えていた。これは、2015年以来最大の割合であり、より良い仕事に就くため数百万人が自主退職した21年と22年の“大量退職時代”を上回る。職場に対する満足度は近年で最低の水準に低下。労働者は現状に閉塞感とフラストレーションを感じている。
昇給額の減少や昇進の減少、コスト削減策、オフィスで働く頻度を増やすよう求められることなどが不満の原因。現在の仕事に「非常に満足している」と答えたのはわずか18%で、昨年の20%から減少しており、10年前と比べると3分の1だ。少し前までなら転職は比較的容易で、より高い給与を手にすることができたが、それが難しい今、多くの労働者は不満を抱えたまま身動きが取れない状態に置かれている。