恐竜背負って学校へ行こう

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共同通信
恐竜ランドセルにあしらわれた刺しゅうを説明する山田耕一郎さん=10月、福井県越前市

 福井県が国内随一の新種化石発見数を誇る恐竜とコラボしたランドセルが人気だ。今年は全国から千件を超える注文があった。販売を手がける同県越前市の恐竜専門店「ダイナソーベース」社長の山田耕一郎さん(52)は、自分好みにカスタマイズしたランドセルで楽しく学校に行ってほしいと願っている。(共同通信=恒吉慧梧)

 山田さんは元々、学生服などを取り扱う会社を経営していた。利用客から「ランドセルを作ってほしい」と要望を受けて2015年、福井市内でランドセル専門店をオープン。当初は通常の商品を取り扱っていたが「福井らしいものを作りたい」と恐竜ランドセルを考案した。16年の受注開始から売れ行きは右肩上がりだ。

 最大の売りはオーダーメードできることだ。フクイラプトルなど5種の中から好きな恐竜を選択すると、県立恐竜博物館が監修した全身骨格の刺しゅうがあしらわれる。ランドセル本体と背中クッション部分の色を選び、恐竜の爪痕など一部有料の任意のオプションを付ければデザインが決定する。組み合わせ総数は1200パターンを超え、好みに合わせカスタマイズできる。基本価格は8万円。

 山田さんの一番のこだわりは全身骨格の刺しゅうだ。デザイナーと刺しゅうを手がける会社に頼み、骨の一本一本まで忠実に描いた。デザインは最新の研究も踏まえた。「何度もやり直したデザインもあった」と苦笑いする。

 本体カラー数やオプション数を増やし、来年度にはカスタマイズ総数を約3倍にする予定だ。今後、恐竜刺しゅうの種類も増やしていく。「ランドセルは小学生の相棒。6年間使っても飽きないデザインにした。学校に行くのが楽しくなってくれたら」と商品を見つめながら語った。

さまざまな恐竜の特徴があしらわれたランドセル=10月、福井県越前市
恐竜ランドセルと山田耕一郎さん=10月、福井県越前市