【7日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は7日、500万ドル(約5億5000万円)を超える州税の納付を不正に逃れていたとして、エフゲニー・フリードマン被告(46)を、脱税の容疑で起訴したと発表した。同被告はニューヨーク市が発行するタクシー営業許可証(メダリオン)を800以上所有し、120の会社を運営する業界の「大物」で、「タクシーキング」と呼ばれていた。
同被告は、2012から15年の間、タクシーの乗車1回ごとに課金され、ニューヨーク州都市交通局(MTA)に支払われる50セント(約55円)のサーチャージの納付を怠っていた。州課税・財務局のノニー・マニオン局長代理によると、タクシー運転手はこの50セントを追加した適切な料金を乗客から受け取っていたが、同被告は虚偽の納税申告を行っていた。
同被告は、脱税および重窃盗罪で起訴され、50万ドル(約5500万円)の保釈金が設定された。代理人のパトリック・J・イーガン弁護士によると、起訴内容を否認しているという。
同被告は以前にもタクシー運転手に適切な賃金を払っていないとして州労働局から調査を受け、13年に和解金として120万ドル(約1億3000万円)を支払っている。
タクシー業界は近年、「ウーバー(Uber)」や「リフト(Lyft)」などの配車サービスアプリの台頭を受け、売り上げが激減。2013年には130万ドル(約1億4300万円)だったメダリオンの価値が、今年は25万ドル(約2750万円)に下落している。