韓国・尹大統領の弾劾訴追案可決

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共同通信
韓国の尹錫悦大統領(ロイター=共同)

 【ソウル共同】韓国国会(定数300)は14日、尹錫悦大統領の「非常戒厳」宣言は憲法違反だとして野党が提出した2度目の弾劾訴追案を可決した。与党「国民の力」の一部議員も賛成した。尹氏は職務停止となり、韓悳洙首相が権限を代行。憲法裁判所が罷免するかどうかを180日以内に判断する。1度目の弾劾案は与党のボイコットで廃案となり、国民が強く反発。さらに、与党が求めていた早期退陣を尹氏が拒否したことで、与党議員が離反した。

 韓国大統領の弾劾訴追は2016年の朴槿恵元大統領に続き3例目。韓国政局は混迷が続き、尹氏の主導で改善した日韓関係にも影響が出そうだ。

 弾劾訴追には在籍議員の3分の2以上の賛成が必要。野党と無所属の議員は計192人で、与党から8人以上が賛成に回った。

 尹氏は3日夜に非常戒厳を宣言。国会が解除要求決議を可決したのを受け、尹氏は約6時間後に非常戒厳を解除した。

 捜査当局は尹氏に対する捜査を本格化。共謀したとされる金龍顕前国防相のほか、趙志浩警察庁長官らを内乱容疑などで逮捕した。

韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案の説明が行われる国会の本会議=14日、ソウル(聯合=共同)