【14日付DNAインフォ】薬物依存症が深刻な問題となっているニューヨークで、2016年の薬物過剰摂取による死亡者が前年比で46%増加していたことが13日、明らかになった。
市保健精神衛生局(DOH)が同日発表した調査報告書によれば、市内で昨年、薬物過剰摂取が原因で死亡した人は1374人に上った。これは15年の937人と比べ46%の増加で、そのうち最も多かったのは45〜54歳の白人男性だった。
市内ほぼ全ての地域で薬物過剰摂取による死亡事故が報告されているが、特に多かったのがブロンクス区サウスブロンクスとスタッテン島だった。薬物中毒者の数は同区ハイブリッジが一番多く、モリサニア、ハンツポイント、モットヘブンと、いずれも同区内の地域が続いた。一方、市内5区のうち1人当たりの薬物摂取量が最も高かったのはスタッテン島だった。
死亡原因のトップとなっている薬物はオピオイド系で、モルヒネより50〜100倍強い合成オピオイド、フェンタニルやヘロインなどが44〜55%を占めている。DOHのメアリー・バセット局長は、「公表された16年度のデータを見ると、薬物過剰摂取による死亡者数が過去最高に達していることが読み取れる」と懸念を示した。
死亡者数が541人だった10年から毎年増え続け、市は麻薬拮抗剤のナロキソンを処方せん不要で販売開始したり、薬物に関する情報アプリを無料配信するなど、死亡事故の撲滅対策を講じている。