高報酬の雇用10万件創出 経済的不平等の解消を目指し

 【15日付ニューヨーク市発表】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は15日、今後10年間で高報酬の雇用を新たに10万件生み出すための25項目から成る取り組み「ニューヨークワークス」を発表した。
 同計画は、経済的不平等の解消、ミドルクラスの拡大、変化する科学技術への適応を目的とし、年収5万ドル(約550万円)以上の雇用を創出する産業に投資するもので、テクノロジー分野に3万件、生命科学および医療分野に1万5000件、工業および製造業分野に2万件、クリエイティブおよび文化芸術分野に1万件の雇用を生み出すことを目標にしている。これらの分野の成長を促すために税金優遇や初期段階にある企業への事業開発投資、社員教育などの支援を行う。また、市が所有するビルに商用オフィススペースを拡大することで、2万5000件の新たな雇用創出を見込んでいる。
 市長は、「同計画は高卒や大卒など学歴を問わず、職を求める市のあらゆる人々のために質の高い雇用を創出するもの」と述べている。しかし、次期市長選に共和党からの出馬が予想されているニューヨーク州議会のニコール・マリオタキス下院議員は、「高報酬の良い雇用を生み出すのは、政府でなく民間がすることだ」と批判している。