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共同通信
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韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」宣言に深く関与したとされるノ・サンウォン元軍情報司令官=内乱容疑で逮捕=が世間の耳目を集めている。ハンバーガー店で現役軍人らと「謀議」を重ねたと報じられたのに続き、占い師としての活動も明るみに。軍を去り民間人となった元司令官が「黒幕」の一端を担っていた疑惑に韓国社会は衝撃を受けている。
ソウル駅から電車で約1時間南下した京畿道安山市の常緑樹駅から、さらに約20分歩いた住宅街。集合住宅の半地下に位置する汚れた窓の内側に、端の欠けた「卍」の看板が見えた。ノ氏が他の女性占い師らと活動していたとされる拠点だ。
「出入りする男性を見た記憶はあるが、元軍人とは知らなかった」と近所の男性(70)。玄関前には占いに使う魚の干物が積まれ、赤黒く固まった汁物の鍋が放置。室内に人の気配はなかった。
韓国メディアによると、ノ氏は1985年に陸軍士官学校を卒業。90年ごろの配属先で、戒厳令を尹氏に進言したとされる金龍顕前国防相に部下として仕えた。