交通違反から移民問題に発展 ICE職員が裁判所で待ち伏せ

 【6月29日付NY1】交通違反で出廷した不法移民の男性が、米移民税関捜査局(ICE)に逮捕されたことを受け、男性の母親が釈放を求めて闘っている。
 ニュージャージー州で無免許運転をして逮捕されたジャマイカ出身のナジー・クラークさんは6月19日、クイーンズ区の裁判所で行われた交通違反聴聞会の後、裁判所から出て来たところを待ち構えていたICEの捜査官に逮捕された。
 クラークさんの母親は、息子の国外退去処分を懸念し、食事も睡眠も取れずにいるという。
 このような事態は増加傾向にあり、最近の報告では少なくとも19人の不法移民がニューヨーク市内の裁判所でICEに逮捕されている。同29日に開かれた市議会の公聴会では、市民から「裁判所に出廷する不法移民はICE捜査官の格好の標的になる」「市は重犯罪者以外の不法移民を保護するサンクチュアリシティー(聖域都市)のはずだ」「ニューヨーク州の裁判所は、不法移民をICE捜査官の逮捕から守るための対応を十分にしていない」「捜査官の手助けをする裁判所職員もいる」など批判的な意見が聞かれた。
 移民擁護団体は、ICEは全ての裁判所において重犯罪者以外の不法移民を逮捕すべきではないと訴えている。
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