【10日付NY1】児童擁護施設で暮らす子どもたちに、専属のチューターを付ける教育支援制度がニューヨーク市で成果を上げている。
4年前から児童擁護施設で育ってきたラジブ・ゴスワーミさんは、最近行われた高校の卒業式に普段は会えない母親とこの2年間支えてくれたチューターのディランさんを招待した。「親から引き離され、施設で暮らすようになったころは日々暮らしていくことに精一杯で、勉強に身が入らなかった」と話すゴスワーミさんには、2年前から子どもや家族の支援団体ニューヨークファンドリングが行っている教育支援制度の下、専属のチューターが付くようになった。施設などで暮らす子どもにチューターを付け、学習を補助する同制度は、年間50万ドル(約5700万円)の費用が必要だが、代表のビル・バカリーニさんは「子どもたちの安全を守るだけでなく、彼らを教育することも大切だ」と話している。
3年前に始まった同制度では、約100人の子どもたちが支援を受けており、高校卒業率は34%から55%にまで上昇した。ゴスワーミさんは同制度のおかげで大学にも合格。「ディランさんは何でも話し合える良き理解者でもある」と感謝した。