放射線汚染地域の洗浄を発表 第二次世界大戦時の核開発工場跡

 【7月27日付NBCニューヨーク】米環境保護局(EPA)は7月27日、第二次世界大戦中に行われた原子爆弾の開発により、土壌や下水設備が放射性物質に汚染されたクイーンズ区リッジウッドの一部地域を洗浄すると発表した。予算3900万ドル(約43億円)には洗浄の他に企業や商店の立ち退きにかかる費用も含まれる。
 同地域にはかつて化学製品会社ウォルフ・アルポート・ケミカルがあり、同区アービング街で1920年から54年まで、放射性物質トリウムの抽出作業が行われていた。この作業はマンハッタン計画の一環として連邦政府の依頼を受け実施、同社は放射性廃棄物を敷地内と下水道に捨てていた。
 EPAは2012年に、200万ドル(約2億2000万円)をかけて、ビルの床下や歩道にコンクリートや鉛、鋼鉄の層を設置するなどの放射線対策を講じていた。今回の洗浄計画ではビル解体後、敷地を掘削し、2万4000立方ヤード(約1万8000立方メートル)以上の汚染土壌や蓄積物などを撤去する。
 地域の洗浄に伴い、同地域の商店などには、政府からの補償金が払われ立ち退きを命じられているが、移転した場合、店主らは客を失うことになると懸念している。

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