【2日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区の連邦地方裁判所は2日、男性の同性愛者専門の売春あっせんサイトを運営していた男に、実刑判決を下した。同裁判所は、元被告の行為は違法ではあるが、性的少数派コミュニティーのために多大な慈善活動も行ってきたことを認め、最大刑期の半分以下となる6カ月とした。
ジェフリー・ユルラン元被告(52)は1997年、ウェブサイト「レントボーイ」(Rentboy)を開設し、売春夫のプロフィール、サービス内容、料金などを掲載、1件当たり最高300ドル(約3万3000円)の広告代を受け取っていた。同サイトには1日平均約50万人が訪れ、2010年から15年の間に、1000万ドル(約11億円)以上の収益を上げていたことも判明している。
元被告は昨年10月、罪を認め、同サイトの開設は「世の中のためだった」とする謝罪文を発表していた。同性愛者の元被告は30年前にマンハッタン区イーストビレッジで暮らしていたころ、路上で客引きをする売春夫の大部分が麻薬中毒で、虐待や暴力を日常的に受けているところを目の当たりにし、安全な売春の場を提供することを目的に同サイトを開設したと主張。「同サイトは経済的な利益だけでなく、同性愛に肯定的なイメージとプライドをもたらした」と釈明していた。また、エイズ撲滅運動にも関わり、これまでに多大な寄付をしていた。
当局によると同サイトは、全米でこれまでに起訴された風俗関連事業者の中で最大規模だったという。