CMでフェンタニル危険訴え NY市、依存症撲滅に向け

 【3日付PIX11】ニューヨーク市で依存症が深刻化する合成オピオイド「フェンタニル」乱用の危険性を知らせるため、市の麻薬特別検察官事務所はこのほど、テレビCMを製作した。
 CMでは、毒ガスマスクをしている男が麻薬の売人と紹介され、フェンタニルの乱用はあまりにも危険なため、扱うときにはマスクが必要との説明があり、「使用者はどうなる?」と問いかけている。次に現れるのは、過剰摂取で病院に担ぎ込まれたとされる酸素マスクをした女性。脈拍の音が聞こえるが、その音は止む。最後に「市では過剰摂取による死亡が46%上昇した。主因はフェンタニルだ」の文字が表示される。
 CMを見た市民は、「とてもインパクトがある」「これを見たら使用を控えるだろう」などと話した。製作を担当したブリジット・ブレナン検察官は、「これだけ危険な薬がはびこっている。フェンタニルはヘロイン、コカインとして売られていることもある」と警鐘を鳴らす。
 市保健精神衛生局によると、市内で麻薬の過剰摂取による死亡者数は昨年だけで1374人、うち半分はフェンタニルが原因だった。オピオイド過剰摂取の拮抗薬「ナロキソン」は、コミュニティセンターなどで無料配布している。

CMの一場面

CMの一場面