ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.34 サンゴが死んでしまうってホント? 海を守る日焼け止めを選ぼう

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 夏真っ盛りの8月。ニューヨーカーもバケーションシーズンまっただ中です。ターコイズ色の暖かい海を求め、バハマ諸島をはじめとするカリブ海などでシュノーケリングやダイビングの計画を立てる人も多いはず。

そういった旅に出る前に知っておいてほしいことがあります。日本ではまだ広く認知されていませんが、市販の日焼け止めの多くがサンゴを傷つけていると、特に観光客の多く集まるビーチリゾートでは問題となっています。アメリカ海洋大気庁の専門家によると、毎年、6000~1万4000トンの日焼け止めが海洋に流れ落ちることで、日焼け止めに含まれる自然に有害な化学成分がサンゴに大きな被害を与えているといいます。

 

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 美しいサンゴ礁のある沖縄で、「サンゴに優しい日焼け止め」を作り、沖縄を拠点に活動を続けるジー・エル・イーの呉屋由希乃さんに話を聞きました。「サンゴはストレスに弱い、とても敏感な生き物。世界のビーチリゾートでは日焼け止めを指定しているホテルビーチも珍しくありません。オキシベンゾン、オクチノキサートといった成分などが含まれているものはサンゴに有毒だという実験結果が出ています。サンゴ礁付近の海域で泳ぐ場合はサンゴに安全な日焼け止め剤を使用することで、直接的なダメージからサンゴを守ることができます。それから、いくらSPF値が高く表示されていたとしても、流れ落ちたら意味がありません。日焼け止めはこまめに塗り直すことで紫外線をしっかりブロックすることができますよ」と、自社製品には化学成分の代わりに植物オイル、ミツロウを高級クリームのようにたっぷり配合させたといいます。
 ニューヨーク周辺でも、ホールフーズマーケットなどでは「コーラルフリー」「リーフフリー」と表示された日焼け止めが多数販売されています。サンゴに優しいものは人間の肌にも同様に刺激が少ないというのも納得がいきます。環境と美容両方に気を使いながら、残りの夏を目一杯楽しみましょう。

 
 

サンゴに優しい日焼け止め www.sango.okinawa

 
 
ueda111
 

フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。